障がいを抱える方およびそのご親族との対話集

障がいを抱える方およびそのご親族との対話集

市役所で本来受けられるサービスを断られたような気がします。何か釈然としないのですが、どうしたらよいでしょうか。
何ともいえないお気持ちですよね。
障がい者差別解消法という法律があります。
市役所では、障がいを抱える方に、合理的な配慮をする必要があります。
例えば、視覚に障がいのある方が住民票を請求しようとした場合、申請書に自分で書くことが難しければ、市役所の職員さんに代筆を求めることができます。これは何らかの理由で文字が書きづらい方も同じです。
そして、そのような要求をするとき、なるべく穏やかに、決して大声を出したりしないことも大事です。これを「建設的対話」といいます。
自分の権利を主張するには、勇気がいるものです。それでも、一歩を踏み出してみると、新たな世界が見えたり、ちょっとした達成感も感じることができるかもしれません。
グループホームや作業所でトラブルがありました。訴えるほどではありませんが、納得できません。がまんした方がよいのでしょうか。
やるせないお気持ち、お察しします。
なぜ納得できないのか、まずはひとりで考えたり、もしくは支援してくれる方といっしょに考えましょう。
その上で、やはり納得ができないのであれば、施設の人や相手方と話し合ってみましょう。
トラブルは、がまんすれば解決するというわけでもなく、ますますストレスがたまってしまうかもしれません。話し合ったり、ときには、敢えて波風を立てることで、あなたの考えが施設や相手に伝わったりすることもありますし、逆に、施設や相手の考えが、あなたに伝わるかもしれません。
雨降って地固まるとのことわざもあります。お互いの考えを理解するというのは、あらゆるトラブルを解決するための第一歩だと思います。
私には障がいのある子がいるのですが、私亡き後、子の財産を誰が守るのか不安です。親族には、頼るべき者がおりません。
これまで、お一人又はお二人でお子さんのことを抱えてきたように感じられます。さぞ、ご苦労なさったでしょう。
お子さんの財産を守る制度として、成年後見や信託という制度があります。
このような法制度や民間の制度を利用することは、今までご自身たちだけで抱えてこられたお子さんに対する責任の一端を、社会に託すことでもあると思います。お子さんの自立にもつながるかもしれませんので、ご検討いただいてもよいかもしれません。
気になる方は、ご相談ください。
子が障害年金や遺産を無駄遣いしてしまうのではないか心配です。厳しく管理した方がよいのでしょうか。
お子さんのことを心配すればするほど、悩ましい問題ですよね。
私見ですが、管理を厳しくしすぎると、ますます依存が強くなり、自立が阻害されるように思います。
どのような人でも(もちろん、私を含めてです。)、一度や二度のお金の使い方の失敗は、経験したことがあるのでは?
よく話し合った上で自由に使うことができる一定額を決め、残りは専門家に管理してもらうといった方法が考えられます。
また、なるべく短期間に一定額を渡す方法(例えば、1か月に20,000円を渡すのではなく、1週間ごとに5,000円を渡す方法)も有用です。
経験的に言いますと、心情の安定と無駄遣いには関連性があり、心情的に安定してくると無駄遣いも減少するように感じます。厳しく管理することだけでなく、お子さんの心情が安定する方法を一緒に考えてみましょう。
本人の意思が確認しづらい重度の障害がある場合、どのように本人の意思を確認するのでしょうか。
本当に難しい問題です。正解はないと思います。
ご本人のことをよく知る方々と話し合い、ご本人が好きであったものとそうでないもの、それらの断片を組み合わせながら、ご本人の意思を推測していくしかないものと思います。
そして、ご本人の意思は、状況によって変化するものであるとも考えられますので、そのような話合いを継続していくことも大切だと思います。

障がいをめぐる諸問題は、必ずしも裁判になじむものばかりではありません。だからこそ、被害や問題が、表面化しづらい側面があります。

キーワードは、「個人の尊厳」ではないでしょうか。大切なことは、障がい当事者やそのご親族が、ひとしく自身の人生を全うすることであり、親御さんや兄弟姉妹などの特定の人物ばかりが責任を負うことは、望ましい姿とはいえません。人生は、持ちつ持たれつです。

また、2000年の民法改正により大幅に改正された成年後見制度ですが、現在、法制審議会で、再度の大幅な改正が議論されています。
これまでは、一度後見人が選任されれば、終生続くのが一般的でしたが、期間限定とすること等が議論されているようです。
いずれにせよ、障がいを抱える方をめぐる問題の検討には、成年後見制度に関する深い理解と経験は不可欠でしょう。
さらには、信託制度なども徐々に浸透してきています。民間サービスの利用も十分検討に値します。

長々述べて参りましたが、このようなことを弁護士に聞いてもよいのか?と不安に思う方も少なくないかもしれません。それでも、誰かに話を聞いてもらいたい、アドバイスでなくとも、違う視点の話も聞いてみたい、という方がおられましたら、是非ともご連絡ください。
視覚に障がいのある私の経験を含め、何かお役に立つお話ができるかもしれません。

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