せいうん便り

第四十四回 赤神諒さん

2020.11.13

先のせいうんだよりで触れた「太陽の門」。
作者は赤神諒さんという方ですが、私は恥ずかしながら小説を読むまでお名前を存じませんでした。
そこで調べてみると、1972年生まれの弁護士とのこと。1つ年長の弁護士だったのですね。勝手に親近感を覚えてしまいました。
個人的には、弁護士が書く文章と作家の書く文章は対局にあると思っているので、一体頭の中がどうなっているのか、羨望の眼差しで見つめる外ありません。

けれども、驚くのはまだ早かった。赤神さんは大学時代英文学を専攻し、3年生で司法試験に合格。
しかも、その後アメリカの著名な大学へ留学し、帰国後は、弁護士業と行政法、環境法の学者という二刀流。いや、三刀流?
現在は、上智大学法科大学院で教鞭をとりつつ、小説を執筆しているとのこと。
最早、同業者などとは、おこがましくてとても言えません。

世の中には、多才な方がいるものだと改めて感心しました。
そして、私は、愚直に一つの事をやり続けてゆくしかないと改めて考えさせられました(笑)。

便りここまで

第四十三回 太陽の門

2020.11.11

日本経済新聞に連載されている「太陽の門」が終焉を迎える。
それまで連載されていた「道草先生」が作家伊集院静氏の発病により突如休載となったために急遽連載が始まった。
「道草先生」を読むのを毎朝楽しみにしていたので、休載は残念だった。こちらはまもなく連載再開とのことで、楽しみだ。

ところで、この「太陽の門」。
マドリードの中心にある広場、プエルタ・デル・ソルのことで、作者の赤神諒さんによれば、主人公が守るべきものを象徴しているとのこと。
そして、この「太陽」にはさまざまな意味を持たせたのだそう。故郷、祖国、仲間、そして・・・。
作者がどのような思いを込めたものか。一読者である私にも届いたように思う。

ところで、この小説の主人公はリチャード・ブレイン。名作、「カサブランカ」でボギーが演じた、あのリック。
「太陽の門」は、そのリックがカサブランカで酒場を営む前に義勇兵としてスペイン戦争を戦っていたころの話、つまり「カサブランカ」の前日譚が描かれている。
小説中には、イングリッド・バーグマンが演じたイルザやピアノ弾きのサムも登場する。ピカピカの気障な男、リックの哀愁が全編に立ち込めた小説だった。

突如として始まった小説も、読み続けて早9か月。これを書いている時点では、残すところは最終話のみ。作者は私たち読者にどのような読後感を残してくれるのだろう。
どんな新聞小説でも読み終わってしまうと喪失感に包まれることになるが、今回はきっとより大きな喪失感を味わう気がする。

映画好きの方も、そうでない方も、単行本化されたあかつきには宜しければご一読を。

便りここまで

第四十二回 弁護人解任③

2020.11.09

前回触れた河合克之衆議院議員の裁判は、結局、従前の弁護人が再度選任されるのに加え、新たな弁護人が選任されるという形で落ち着いたようです。

タイトなスケジュールを課されたことが契機となって、依頼者と従前の弁護団の信頼関係が崩れかけてしまったのかもしれません。

ところで、この問題の背景には、保釈の運用実態という問題があるように思います。

刑事訴訟法では、一定の場合を除き保釈を権利として認めることが規定されていますが、否認事件の場合、重要な商人の尋問が終了するまで保釈が認められないことは珍しくありません。
特に、世間を震撼させたカルロス・ゴーン事件以降、徐々に上がっていた保釈の任用率が低下しているという話もあるようです。

確かに、保釈中の被告人が逃亡するというのは刑事裁判に対する信頼を失墜させる大きな問題です。
他方で、保釈は法で定められた被告人の権利でもあります。

実際、河合議員についても、保釈が許可されていれば弁護団との打ち合わせもよりスムーズにできたでしょう。タイトなスケジュールでもより対応し易かったであろうことはおそらく間違いありません。

ちなみに、東京拘置所は、荒川を越えた小菅という、法律事務所が多く居を構える地からやや離れた場所にあります。
しかも、午後4時までに接見の申込みをしないと接見は出来ません。
以前、静岡から東京拘置所へ出向いた際、到着が4時01分であったために接見出来なかったということもありました。

インターネット等も高度に発達した今日、被告人の防御権の保障と罪証隠滅や逃亡の防止等を如何に調整するのかは、相当な難問と言えそうです。

便りここまで

第四十一回 弁護人解任②

2020.09.24

前回は、国選弁護人と私選弁護人の違いや、国選弁護人の解任について触れました。
それでは、今回の河井克行元法相の私選弁護人が全て解任された事件の背景には、どんな問題点があるのでしょうか。

本件は、河井被告人が現金を配って票の取りまとめを依頼したという公職選挙法違反(買収)です。配布先が相当多数に上るとされ、被告人も事実を全面否認しているため、採用された証人数が55名とのことです。
これだけの証人を尋問するのは、弁護人にとって大変な作業です。尋問の準備や被告人との事実関係確認に多大な労力と時間を要します。

他方、ここで問題となるのが百日裁判の規定です。
一定の公職選挙法違反事件では、起訴後100日以内に判決を出すようにとの努力規定が法律で定められています。判決後、国が当選無効を確認する訴訟を提起する必要があるところ、次の選挙までにこの裁判を起こさなければ法的意味が乏しいからであると言われています。

裁判所は、この百日裁判の規定を意識して相当タイトなスケジュールを設定したようです。

弁護団は、連日の証人尋問は避け、間に1日空けてほしい、1日の証人尋問を2人までにしてほしいと裁判所に申し入れていたようですが、受け入れられなかったと聞きます。被告人も自らの防御権が十分に行使出来ないおそれがあることに懸念を表明していたとも報道されています。

このような問題は、刑事事件の様々な場面で起こります。
迅速な裁判の要請と被告人が適正な裁判を受ける権利、これらは双方とも大切な事柄ですが、この2つはしばしば対立します。このように、ときに矛盾を孕む2つの理念をどこで調整するのか、我々弁護人は難しい判断を迫られます。

日頃刑事事件に馴染みのない方も、この事件の報道から、刑事裁判の在り方について、少しだけでも考えてみていただけると、この件の背後にある問題を実感していただけると思います。
そして、被告人が防御権を十分に尽くせないと懸念していた背景には、4回の保釈請求が却下されていたという事情もあるようです。

次回は、保釈の問題点に触れたいと思います。

便りここまで

第四十回 弁護人解任①

2020.09.17

今年はなるべく更新を行おうと誓ったのですが、約4か月ぶりとなってしまいました。

さて、「弁護人」とは刑事事件で被告人の弁護をする人間のことで、通常弁護士がその任に当たります(ちなみに、民事事件では「弁護人」ではなく、「代理人」と呼びます。)。

この「弁護人」には2種類あり、被告人自身が弁護人報酬を負担する私選弁護人と、国がそれを負担する国選弁護人があります。どちらであっても、弁護人の職務には変わりはありません。

ところで、この弁護人の職を解任される場合が稀にあります。
国選弁護人の場合、被告人が「この弁護人を辞めさせたい」と思っても、簡単に解任は認められません。国選弁護人の場合、弁護人を選任するのはあくまで裁判所であり、被告人の一存では決められない仕組みになっています。したがって、国選弁護人側からの辞任も容易には認められません。

かつて私も被告人との信頼関係が築けず国選弁護人の辞任を裁判所に申し出たことがありました。

けれども裁判所は、他の弁護士が就いても同じ結果になる可能性が高いからとの理由で辞任は認めず、その代わり先輩弁護士をもう一人選任するという態勢をとることで対応してくれたということがありました。

しかし、私選弁護人であれば話は別です。
弁護人を雇っているのは被告人自身ですから、被告人はいつでも弁護人を解任することが出来ます。

去る9月15日、河井克行元法相が弁護人6名全員を解任したとの報道がなされました。これにより公判の進行が止まる可能性があると言われています(余談ですが、「公判」とは刑事事件の期日のみに使用する言葉で、民事事件では「口頭弁論」等と言います。)。

次回のコラムでは、この弁護人解任の背後にある問題点について少々触れていきたいと思います。

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第三十九回 SNSでの誹謗中傷

2020.05.29

表現の自由は私たちが享有する人権の中でもひと際重要な人権であると認識されている。自らの意見を自由に表現出来ることは、代議制民主主義の基盤を成すからであるなどとも説明される。
そして、この表現の自由を保障する制度的担保として通信の秘密を保障することも憲法で定められている。国家権力が通信の秘密を恣意的に侵害すれば、我々は自由に意見を表明することに委縮するからである。

先日、インターネットで配信されていたバラエティ番組「テラスハウス」の出演者がSNS上の誹謗中傷を苦にして自ら命を絶ったと報道された。真偽のほどは知る由もないが、誠に痛ましい事件であり、故人の御冥福を心よりお祈り申し上げる。
この事件を受け、インターネット上の匿名掲示板への投稿に関する発信者情報を取得し易くする法改正が議論されているようである。議論の行方を注視していきたいと思う。

この種の事件が起きる毎に考えさせられるのは、表現の自由によって保護されるべき表現の対象如何である。他人を誹謗中傷するような書き込みは保護に値しないのではないか、という意見も一方にはある。
他方で、誹謗中傷に当たるか否かは誰が判断するのか、そもそもそのような判断は可能なのか、当局がそのような判断をすること自体表現の自由への介入ではないのか。これは、やはり古くて新しい問題であり、難問である。

回答が容易に出せるような問ではない。けれども、私たちが表現の自由の意味を、もう一度立ち止まって考えてみることは有意義である。
私たちが他人に悪感情を抱きその人間を傷つけるような言葉を浴びせたくなるとき、その心は様々な思いに囚われているように思う。そんな思いに囚われて発せられた表現は、真の自由の下に発せられた言葉だろうか。そして、真の自由とは一体何であろうか。

私自身、言葉を発する前に一瞬でも立ち止まるよう心掛けたいとと強く感じた出来事だった。

便りここまで

第三十八回 新型コロナ対策

2020.04.24

現在、世界中で新型コロナウイルスが猛威を奮っています。

我が国も、当初は、比較的感染拡大を防止できていたように思いますが、今は「感染爆発・重大局面」が続いている状況です。

ところで、政府は、二転三転した結果、全国民へ一律10万円を支給することを閣議決定しました。準備が整った自治体から、早ければ5月中より支給が開始されるようです。

弁護士らは、押収拒絶権を行使する一方で東京地検の捜査に一定程度協力すべく、秘密性がない資料を任意に証拠提出しようとしました。

ここで気をつけなければならないのは、人の弱みにつけこむ不逞(ふてい)の輩です。今回の給付金を当て込んだ特殊詐欺が頻発するのではないか、と懸念しています。

国は、オンライン又は用紙による申請を受け付けるようですので、関係機関からメールや電話がくることはありません。このせいうん便りをご覧いただいている方は大丈夫だと思いますが、是非とも、周囲の方にも注意喚起していただければと思います。

それでは皆様、外出は極力控えて、くれぐれもご自愛下さいませ。

便りここまで

第三十七回 法律事務所の捜索

2020.04.06

世間の話題は、ほぼ新型ウイルス関連が独占しています。世界中の人々が無関係ではいられませんから無理からぬことです。私たちも、社会の一員であることを自覚して行動する責任があります。

ただ、世間が新型コロナウイルスの話題一色となってしまうと、それ以外の大切な事柄がつい見落とされがちになるように思われます。

昨年末にカルロス・ゴーン氏がレバノンへと国外逃亡しました。遥か昔のことのように感じられます。

しかし、その余波が我々弁護士業界に及んでおります。

本年1月29日、東京地検は、カルロス・ゴーンの主任弁護人であった弁護士らの法律事務所を強制捜査(捜索)しました。弁護士らは、刑事訴訟法105条に基づき押収拒絶権を行使しました。この押収拒絶権は、弁護人らの守秘義務を貫徹するために法が認めた権利であり、依頼人が安心して弁護人に弁護を依頼する上で極めて重要な権利です。

弁護士らは、押収拒絶権を行使する一方で東京地検の捜査に一定程度協力すべく、秘密性がない資料を任意に証拠提出しようとしました。

ところが、東京地検は、あえて同資料の受け取りを拒否し、無断で裏口から同法律事務所に立ち入りました。検察官らは、再三の退去要請を無視し、長時間法律事務所に滞留し、事件記録等が置かれている弁護士らの執務室内をビデオ撮影したほか、施錠してあった法律事務所内のドアの鍵を損壊する等の実力行使をしました。

結局、東京地検が押収した物は、弁護士らが捜索が始まる前に任意に呈示していた書面等1袋のみでした。

日弁連は、この東京地検の捜索が違法であるとして会長談話を発出しました。
>> 日本弁護士連合会:法律事務所への捜索に抗議する会長談話

静岡県弁護士会でも、本年3月25日、東京地検の捜索は違法であるとして会長声明を発出しました。興味のある方は、ご一読下さい。
>> 法律事務所への捜索に抗議する会長声明 | 静岡県弁護士会

弁護士業務において依頼者の秘密を守ることは絶対的に重要です。依頼者の秘密を漏洩する弁護士が、依頼者から信頼されることはあり得ません。その意味においても、刑事訴訟法が認めた押収拒絶件は極めて重要な意義を有しています。これを軽んじた東京地検の捜索行為は、一弁護士として容認することは出来ません。

世間では、カルロス・ゴーン氏の弁護団に対して様々な評価があるようです。
けれども、この弁護士事務所への捜索は、我々弁護士にとって、そして、弁護士に事件を依頼しようとする一般市民にとって、大変憂慮すべき出来事であると私は感じています。

新型コロナウイルスが人類にとって大きな脅威であることは間違いありません。けれども、その背後で日々生起している様々な事象にも目を配ってゆきたいと考えています。

便りここまで

第三十六回 検事総長

2020.02.05

検事総長は言わずと知れた検察庁の最高ポスト。
2月4日の新聞報道をご覧になった方もおられるでしょうか。
2月7日に定年退官予定であった東京高等検察庁の検事長を、本年8月まで定年延長することを内閣が閣議決定したそうです。

しかも、閣議決定は、定年退職予定日である2月7日の1週間前。
検察官の定年を閣議で延長したのは過去に例がなく、この異例の定年延長に様々な憶測が飛んでいるようです。
検察庁法上、検事総長の定年は65歳、それ以外の検察官の定年は63歳と定められています。

東京高検検事長は検察庁癸欧離櫂献轡腑鵑世修Δ任垢里把蠻延長の目的は自ずから明らかと言えるでしょう。
勿論、慣例が全て正しいとは限らず、改めるべき因習もあるとは思います。

けれども、現憲法が施行されて70余年、歴代の政権が一度もこれを行ってこなかったという事実の重みは尊重されるべきものです。
ましてや、その延長目的が、自民党政権長年の懸案であった共謀罪等を成立させた論功行賞であるとしたら、ましてやそれ以外の目的があるとすれば・・・。

果たして、国民の検察庁に対する信頼はどうなるのでしょうか。
検察は「巨悪は眠らせない」と胸を張れるのでしょうか。

少なくとも、内閣にはこの点十分な説明を果たす責任があると思われます。

天下人の威光

便りここまで

第三十五回 高校サッカー

2020.01.14
高校サッカー

24年ぶりに静岡学園が選手権に優勝しましたね。関係者並びにファンの皆様、おめでとうございます。
決勝の相手であった青森山田は、昨年プレミアリーグイーストを高体連所属ながらに制し、年末のJユースカップでも名古屋ユースを下していました。紛れもなく世代最強チーム。2点先行された時点で相当厳しいと思いましたが、前半アディショナルタイムの1点が効きましたね。

ところで静学は、24年ぶり2度目の優勝とのことですが、そのときは両校同時優勝。相手は鹿実だったような?遠藤三兄弟の誰かがいたような気もします。
その試合は、確か静学が2点先行しながら追いつかれたという本年とは真逆の展開だったことははっきりと覚えています。井田前監督も今回の単独優勝はさぞ嬉しいことでしょうね。

今年は、藤枝順心も女子サッカー選手権大会を制し、王国復活の兆しも朧気に見えて来ました。これに続いて、Jリーグに所属する各カテゴリーのチームにも奮起を期待したいです。

便りここまで

第三十四回 新年のご挨拶

2020.01.10
新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年は、更新があまり出来ませんでしたが、本年は、昨年よりも投稿数を倍増させるのが当面の目標です。

さて、少々ニュースバリューが下がった感は否めませんが、昨年12月30日に報じられたカルロス・ゴーン氏の国外逃亡には驚かされました。最早日本に戻る気のない者にとっては、15億円であろうが、150億円であろうが歯止めにはならないのでしょうね。

ところで、このゴーン逃亡劇には様々な論評、批判そして問題提起がなされています。
発覚当初は、弁護人が批判の矢面に立たされました。今後、保釈条件がどの程度履行されていたのかは検証されるべきでしょうが、この件が、保釈の運用の難しさを浮き彫りにしたことは間違いなさそうです。
近時、保釈が認められやすくなったことは間違いありません。保釈率が上がっていることは統計上も明らかです。
とはいえ、本件が、ようやく上昇しつつある保釈率に水を差さなければよいが、と懸念しているところです。

そして、本年1月8日にはゴーン氏がレバノンで記者会見を開きました。そこで自論を約2時間にわたり展開したそうです。
次回、ゴーン氏が指摘した日本の刑事司法の問題点について、少し触れてみたいと思います。あまり期待せずにお待ちください。

便りここまで

第三十三回 辰兄

2019.12.18

この「せいうんだより」も随分きままなペースで更新してきましたが、前回の更新は8か月前。ご覧になっている方がさほど多いとも思いませんが、一応生存情報を発しておきます。

さて、本年も様々な訃報がありました。新聞やテレビでも追悼や墓碑銘が報道されていますね。

そして、年末辰兄こと梅宮アンナさんの御尊父が逝去なさいました。報道で知りましたが、かなりお若いころから大病を患っておられたとのこと。そのような姿は微塵も見せなかったように思われます。

ところで、みなさんにとっての辰兄の代表作は何でしょうか。「不良番長」は見たことがありません。「前略おふくろ様」で、ショーケン(そういえば、この方も今年お亡くなりになりました。合唱)の先輩板前役でしょうか(これも直接見たことはありません。)。

こうしてみると、何が代表作なのか私にはよく分かりませんが、私たちの世代だと「スクール★ウォーズ」の中華料理店主役が記憶に残ります。

当時の大映テレビ制作のドラマは面白かったです。辰兄はラグビー部員の義兄役で、ヤクザに脅されていたラグビー部員の生徒を庇い、ヤクザと乱闘になって刺殺されるという役でした。しかも死ぬ間際に刺したヤクザを許してやってくれと気遣いながら死んでゆくというカッコよさ。辰兄にピッタリの役でしたね。

いずれにせよ、昭和がまた一つ遠のいた気持ちです。謹んでご冥福をお祈りいたします。

便りここまで

第三十二回 3番ピッチャー

2019.04.08
3番ピッチャー

いよいよ元号も令和に改まろうかという昨今、少々古い話で恐縮です。

約29年前の平成2年高校野球秋季東海大会準決勝。
当時、東海地区からの選抜出場枠は3校でした。つまり、準決勝に勝利すれば選抜出場は事実上確定。決勝より重要な一戦と言っても過言ではありません。

当時高校2年生だった無類の野球好きの私は、ラジオにかじりつき、母校を応援していました。

試合は息詰まる両軍エースの投げ合いで、9回終了時1−1。そのまま延長戦に突入しました。

10回表、先攻の母校は無得点。
続く10回裏。アウトカウントは覚えていません。1死だったか2死だったか。ランナーも2塁にいたことは記憶にありますが、1塁にもいたのかは記憶が曖昧。

迎えるバッターは、相手チームのエースで3番打者。

カウントも覚えていませんが、ややイレギュラーしたゴロが二塁手の横をすり抜け、2塁ランナーが生還。 母校は無情にもサヨナラ負け。

それでも、母校に勝利したそのチームが決勝戦で勝利すれば選抜出場が有力でした。
しかし、決勝は稀にみるシーソーゲームとなり、10−9で敗戦。準決勝で完投したエースも登板しなかった記憶です。
結局、母校の選抜出場は果たせませんでした。

ところで、準決勝で母校に勝利したこのチームが、愛知県1位代表だった愛工大名電。
サヨナラ打を放った3番のエースピッチャーが、鈴木一朗選手。

そうです、言わずと知れた世界の「イチロー」でした。

私にとって、鈴木一朗選手は、高校2年次から忘れられない名前となりました。高校3年の選抜出場時も観戦しています。オリックスに入団して以降も密かに注目していました。

まさか、あの時の鈴木一朗選手が、かくも偉大な選手になろうとは夢にも思いませんでしたが、今でも時折思い出されるのは、あの秋季東海大会準決勝、静高対愛工大名電戦です。

イチロー選手、27年間の選手生活お疲れ様でした。

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第三十一回 ノースライト

2019.03.18
ノースライト

警察小説の金字塔「64」から6年。
横山秀夫ファン待望の最新作「ノースライト」。

新聞などでも大々的に宣伝されているので、読了された方も少なからずいることでしょう。

帯にもありましたが、善人のみが織りなす、ひたすらに美しい物語。
ラストは秀逸です。

「ノースライト」とは、北川から射し込む光のこと。

強くはないが柔らかく部屋全体を照らす光。

読後感はタイトルそのものと言っても過言ではありません。

ぜひご一読あれ。

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第三十回 「連帯」責任

2018.11.08

世間では、連帯責任としばしばいわれます。本人が行った事柄でなくとも、行為者と共に責任を問われるといった意味でしょうか。
この連帯責任という語が、保証人に関して用いられるとき、その責任は相当重いものとなります。

11月1日の朝日新聞朝刊1面を御覧になった方もおられると思います。
日本学生支援機構が、借主の親など連帯保証人以外の保証人に債務全額を請求し、少なくとも過去8年間で825件、総額13億円を回収していたという記事です。
一体どこに問題があったのでしょう。

私たちが日常よく目にするのは、その殆どが「連帯保証人」です。
ところが、希にこの「連帯」が付かないただの「保証人」が用いられる場合があります。
今回の件がまさにそれに該当します。

基本的に連帯保証人が負う債務は、ほぼ主債務者のそれと同様です。
主債務者が金1000万円の債務を負っていれば、連帯保証人も主債務者に資力があろうがなかろうが1000万円を支払わなければなりません。
連帯保証人が何人いても、債権者は連帯保証人全員に対し、同時に1000万円の支払を請求できます(もちろん、債権者は1000万円以上を回収できる訳ではありません。)。

ところが、これが「連帯」保証人ではなく、ただの「保証人」であれば事情が異なってきます。

たとえば、主債務者が1000万円の主債務を負っており、連帯保証人1人、ただの保証人が1人いるというケースを考えます。
この場合、連帯保証人は、1000万円を債権者に支払う債務を負っています。
ところが、ただの保証人は、仮に債権者が1000万円の支払いを請求してきた場合、(連帯)保証人がもう一人いるので、保証人の頭数である2で主債務を割った500万円だけを支払えばよい筈だ、と反論することが出来ます。

これを法律上「分別の利益」と言います。
借金を保証人の頭数で「分」けて、主債務者とお「別」れする利益といったところでしょう。
連帯保証人には、この分別の利益がありませんが、保証人にはこれがあります。

ややこしいのは、債権者がただの保証人に対し、上述の例で1000万円の支払いを請求すること自体は直ちに違法とは言い切れないことです。
機構側は、保証人から分別の利益を主張されれば適法に対応してきたので法的には問題がないとの見解のようです。
しかし、法的知識の乏しい保証人が機構に対してそのような反論を行うべきであるという前提には無理があるように思われます。

いずれにせよ、このような専門知識を一般消費者に求めるのは困難です。
新聞記事によれば、破産を余儀なくされた保証人もいるようです。
このような案件に限らず、法的紛争が起きたときには、専門家へご相談することをお勧めいたします。

>> 朝日新聞デジタルの記事はこちら

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第二十九回 SUITS

2018.10.24
SUITS

10月はテレビの番組改編期。今期は、弁護士が主人公の話題作が目につきます。

昨日、周囲の勧めもあり、織田裕二と鈴木保奈美が「東京ラブストーリー」以来27年ぶりに共演すると話題のドラマ「SUITS/スーツ」を初めて見ました。
なかなか面白い内容でした。

あの臨時取締役会は招集手続に瑕疵があり無効になるのでは?とか、なぜ解雇予告手当を支払って解雇通知をしておかなかったのか?などと思いながら見ていました。

ところで、第3回の内容。これが現実に行われたとすれば、弁護士倫理として大きな問題を孕んでいると感じたのは私だけではないように思います。果たしてどの場面でしょう?ドラマの演出上仕方がないものとは思いますが、実社会をドラマ化するのはなかなか難しいものですね。

どの場面が弁護士倫理に違反する可能性があるのか。気になる方は、弁護士職務基本規程第7章第57条などをご一読下さい。

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第二十八回 天下人の威光

2018.10.17

10月13日の全国紙の朝刊をご覧になった方も多いことでしょう。
駿府城の発掘現場から、1590年ころ豊臣方により築城されたと思われる天守閣の石垣や金箔の屋根瓦330点余が出土したそうです。

羽柴秀吉が1590年に小田原を平定するまで、家康は駿遠三甲信5か国を納める大名で、駿府城を居城としていました。

北條氏滅亡によりほぼ天下平定と成った秀吉は、論功行賞とはなばかりの左遷ならぬ右遷で、家康を関八州250万石の大名へと移封しました。

今回出土した石垣などは、家康移封後に入城した中村一氏が城主のころに築城されたもののようです。

家康の関東入城後、新たな城主に屋根瓦に金箔が施された天守閣を築城した秀吉にも驚かされますが、将軍職を秀忠に譲った家康がその天守閣を取り壊し、屋根瓦を堀へ埋め、従前の石垣を封印するかの如く新たに巨大な石垣を持つ天守閣を築いた事実にはさらに驚かされます。

中世の城廓は権威の象徴でもあったことの何よりの証左でしょう。

秀吉や家康の天下人としての誇りを垣間見ることが出来、大変興味深いです。

全国紙の1面となったことからも分かるように、この発見は中世史の上でも画期的だそうです。
発掘調査も引き続き進行しているようですし、歴史へのロマンを駆り立てられるニュースでした。続報が楽しみです。

天下人の威光

天下人の威光

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第二十七回 ちびまる子ちゃんのマンホール

2018.09.12
ちびまる子ちゃんのマンホール

とても素敵なマンホールがセノバのけやき通り口に設置されました。
意外と素通りする人が多くてびっくり。
お近くを通る方は、少し気にかけてみて下さい。
さくらももこ先生、安らかに。

便りここまで

第二十六回 Mr. サマータイム

2018.09.04
Mr. サマータイム

近時、政府がサマータイム導入を検討しているとの報道がなされています。
2020年東京オリンピック開催時における暑さ対策の一環であるとも言われています。

このように、我が国で導入が検討されている一方、EUではサマータイムの廃止が現実味を帯びているようです。
域内460万人からパブリックコメントが寄せられ、約84パーセントが廃止に賛成したとのことです。
理由は、体内時計の不具合による睡眠障害の発症や省エネ効果に乏しいといった点のようです。

様々な議論があるところでしょうが、EUにおける動向と結果に至った原因分析は、わが国においても重要であることは間違いなさそうです。

サーカスの名曲、「Mr. サマータイム」のように、サマータイム導入は、夏の日の幻となってしまうのでしょうか・・・。

私たちの日常生活にも大きな影響があることですので、政府の動向からは目が離せません。

便りここまで

第二十五回 1億円?!

2018.08.23

8月16日の朝日新聞朝刊に、こんな記事が掲載されていました。

寺社仏閣から文化財が盗まれるといったニュースはしばしば見かけます。

このような事件の背後には記事中にもあるように闇マーケットの存在があるようです。

民法193条は、「・・・占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。」と定めています。

また、民法194条では、「占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。」とされています。

本来の所有者を保護すると同時に、盗品であることを知らずに取引した者を保護するために設けられた規定です。

ですから旧庄内藩主の子孫である酒井忠久さんも、正に先祖伝来の刀剣を2000万円(当時)で買い戻さねばならなかったのです。

もう一振りは愛好家の間で1億円で取引されているとのこと。

これでは、検挙されることを少々の危険と考える輩の発生を防ぐことは難しいですし、盗品を取り戻すことも事実上不可能です。

今回の民法改正でも、上述の条文は改正されなかったようです。
文化財保護の観点からも、新たに法改正が必要かもしれません。

旧庄内藩と言えば藤沢周平の出身地。
庄内藩は一連の藤沢作品に登場する海坂藩のモデルとも言われます。
泉下の藤沢周平も法改正を望んでおられるでしょうか。

1億円?!

便りここまで

第二十四回 久しぶりの更新

2018.08.17

先日、高校時代の友人と再会した折、せいうんだよりは更新しないのか、と言われました。

意表を衝かれ戸惑いましたが、意外といろいろな人が見てくれているものですね。
ご覧いただいている方、誠にありがとうございます。

さて、その友人らと訪れたとある飲食店。

着席するや否や隣席にいた妙齢の女性が、「あれ、○○君だよね。」と友人の一人に声を掛けてきました。
聞けば二人は小学校の同級生であったとのこと。
やはり静岡は狭いですね。
悪いことは出来ません。

それから私たちは、「スポーツマンシップに乾杯!!」とグラスを合わせ談笑。
店も大盛況で、最初に注文したサラダは結局最後まで出て来ませんでした。

その後、友人は、その女性と共通の知人のことなどで盛り上がり、名刺なども渡して、旧交を温めていた様子でした。

帰り際、友人に尋ねてみると、女性のことは全く記憶にないとのこと。
そんな様子を微塵も感じさせないところに「大人」を感じさせられました。
私も大いに見習わなければと思いました。

ともあれ、旧友との再会は楽しいものです。
お互い元気でまた会いましょう。

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第二十三回 薬害教育③

2017.11.15

去る11月10日、静岡サレジオ中学校マリアンホールにおいて、第3回目の薬害教育が開催されました。 これは、過去2回行われた薬害教育に引き続き行われたもので、全3回開催の締めくくりとなるものです。

第1回目は、現在13歳前後である生徒さんが26歳になる2030年、成長した彼らの元に、中学・高校時代のクラスメイトからの手紙がある日突然届き、これに生徒さん達が返信を書くという設定で授業が行われました。ある日届く手紙は、薬害被害者のご遺族の手記をモチーフにしています。すると、元クラスメイトから再度手紙が届き、生徒さん達が実情を知ります。実情を知らせる重い手紙に再度返信するという大変手の込んだ内容となっていました。

2回目の授業では、東京原告団代表の浅倉美津子さんにご講演いただきました。このご講演は、声涙と共に下る聴衆の心を打つものでした。

今回の薬害授業、個人的には大変意義深いものであったと思います。真剣に向き合ってくれた生徒さん達や準備に多大なるご尽力をいただいた先生方、そして講演していただいた浅倉さん。この企画に関わっていただいた全ての方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

この企画は今後も継続してゆきたいと思いますし、他校でもこのような試みが広がって行けばと切に願います。

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第二十二回 薬害教育② 〜浅倉美津子さんの講演会〜

2017.10.31

去る10月27日、サレジオ中学校のマリアンホールにて、薬害肝炎東京原告団代表浅倉美津子さんの講演が開催されました。

浅倉さんのお話は本当に胸に迫るものがありました。
本来病気を治療するための薬によって病気になってしまったという直接的な被害にとどまらず、病気がご本人や周りの人々に及ぼした影響につき、包み隠さずお話くださいました。
そして、自らの体験のみに留まらず、闘いの中で志半ばにしてたおれた同志のお話にも触れていただきました。

きっと、私などより余程しなやかな感性の持ち主である生徒さん達の心にも響いたことと思われます。

この場をお借りして、浅倉さんと貴重な機会をいただいた静岡サレジオ中学校様に謹んで御礼申し上げます。

そして、このような試みが、他の中学校にも広まって行くことを心より願っています。

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第二十一回 薬害教育①

2017.10.24
薬害教育 1

去る平成29年10月20日、静岡サレジオ中学校で薬害教育の授業が開催されました。 私は、薬害肝炎弁護団の一員として少しだけ薬害教育に関わっているのですが、サレジオ中学校の薬害教育に対する取組みの真摯さには、本当に頭が下がりました。

来る27日には、東京原告団代表の講演会があります。
きっと、生徒さん達も聴き入ってくれるものと確信しています。

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第二十回 ホストは労働者?

2017.04.20
ホストは労働者?

ホストクラブと聞いてみなさんは何をイメージしますか?
行ったことはありませんが、シャンパンタワーや派手な掛け声による一気飲みなどはテレビで見たことがある気がします。

このホスト。昇りつめると収入額はすさまじいらしい。高級車やマンションをお客さんからプレゼントされる例もあるとか。
他方で、さまざまなノルマや上からの厳しい管理などで過酷な生活状況のホストもいるようです。昔、そんな相談を受けた気もします。

ところで、ホストは「労働者」でしょうか。

昨年、東京地裁で判決が出されたようです。
ホストは、労働者ではなく自営業者であるとの結論。自らの才覚により顧客を集め、店舗という場所を借りて営業を行う自営業者であるというのが基本的な論理のようです。

もちろん、一事例判断ですから、すべてのホストが自営業者であると判断されたものではありません。ホストの方には、判断に不満のある方もいるでしょう。

一つだけ確かなことは、ホストは、見た目の派手さと裏腹に不安定であるということ。これは、収入の点だけでなく、法律上おかれた地位も含めて。

それでは、ホステスはどうなるの?考えさせられる判決ですね。

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第十九回 自己破産

2017.04.04

4月3日付の朝日新聞朝刊に、自己破産の申立てが昨年度13年ぶりに増加したとの記事が掲載されていた。貸出し上限のない銀行系ローン残高の急増が原因ではないかとのこと。

私が弁護士登録をしたのが平成16年10月であるから、約13年前のことである。
その頃は、債務整理の相談が本当に多かった。弁護士会の債務整理の相談は、引きも切らなかった。毎日相談日を設けているのに、連日満員の状況。弁護士なりたての私の目からしても異常であった。

こんな悲惨な状況が、少しずつ変化した。12年連続で前年度を下回っていた事実を見ても、自己破産は確実に減少していた。

それが、13年ぶりに増加に転じたのである。

日銀がマイナス金利政策を採用していることからすれば、消費者への貸出しは、銀行の重要な収入源であることは理解できる。しかし、その貸出し先が破産してしまったのでは元も子もない。消費者金融には総量規制がされているのに、銀行が青天井というのも公平性を欠く。
やはり、新たな政策決定が必要であると思われる。

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第十八回 春の夜は春の夜ながらさりながら

2017.04.03

泣き童 永き別れや 江戸の春   合掌

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第十七回 天気晴朗なれど波高し

2017.03.24

先日、石原慎太郎元東京都知事の証人尋問が行われた。都議会に設置されたいわゆる100条委員会における尋問である。

石原元都知事は、自宅の前で、報道陣から心境を問われ、冒頭の一節を述べた。これは、日露戦争における日本海海戦に際し、戦場の様子を当局に知らせるため、連合艦隊から打電された有名な一節である。秋山真之が起草したと言われている。

ところで、この石原氏の尋問。晴朗にはほど遠く、責任の所在は全くもって五里霧中である。尋問は、問いと答えがかみ合っていない場面も散見された。このような質疑を見ても、都民は全く納得しないだろう。

司馬遼太郎は、冒頭の一節について、戦場の天候が我が軍に極めて有利であることを簡潔な一節で象徴したことを印象的な筆致で綴っている。果たして、石原氏が述べた一節は、氏のいかなる心境を、そして、都民のいかなる心情を象徴するものなのであろう。

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第十六回 訴訟代理人の表示

2017.03.15

弁護士が依頼を受けて裁判をするときには、訴訟代理人として氏名を記載する決まりとなっている。世間の人からすれば、訴訟代理人として名前を出している以上、当然、依頼者と直接面談し、依頼を受けていると思うだろう。
ところが、現実は、必ずしもそうとばかりは言えない。法律事務所が法人化している場合などには、所属弁護士全員の名前が代理人として記載されているが、実際の担当者は1人だけといったことは珍しくない。社会の耳目を集める事件では、弁護士が実際に訴訟活動を行わず、名前だけを出すことを了承するといったケースもある。

稲田防衛相が、かつて森友学園の訴訟代理人として弁護活動を行っていたのかどうかが国会で議論となっている。学園側と稲田防衛相の意見は真っ向から食い違っており、普通に考えれば、いずれかの言っていることが事実とは異なっているのだろう。
疑問に思うのは、かりに稲田防衛相がかつて森友学園の訴訟活動を行っていたとして、それを躍起になって否定する必要があるのかということである。「たしかに嘗て訴訟活動を行ったが今は関係ない」と答弁すれば足りるように思える。弁護士は、依頼者の依頼に応え、依頼者の利益を最大化するのが仕事なのだから、私人である時分に行っていた訴訟活動が、違法行為でもないのに取りざたされても、毅然と対応すれば問題ない。必死に否定すればするほど疑わしく見えてしまうのが人間というものである。全否定は、何を意味するのだろう。
予算委員会で議論すべきことは他にも山ほどあると思うが、しばらくこの話題が止む気配はない。

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第十五回 仰げば尊し

2017.02.20
仰げば尊し

先日、20年ぶりに母校の大学へ行って来ました。

師事した教授が定年退官となり最終講義を行うとのことで、これを聴講するためです。

懐かしさや感謝の気持ちなど、万感胸に迫るものがありました。
今まがりなりにもお仕事させていただいているのは、教授のおかげと言っても、何ら過言ではありません。

椎橋先生、長い間本当にお疲れ様でした。

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第十四回 球春到来

2017.02.08

今年も早1ヶ月が過ぎ、プロ野球もキャンプイン。2月1日の新聞紙上には、各球団の記事が踊っていました。
もっとも、今年の誌上では、例年とは異なる文字が目を引きました。本年2月1日は、沢村栄治の生誕100年に当たるとのこと。コラムやスポーツ欄は、沢村の記事で目白押しでした。
中学及び京都商でバッテリーを組んだ山口保守が、両手10本の指全てを脱臼したとか、フォームを解析したところ球速は160キロ近く出ていたとか。時代が異なるとはいえ、やはり伝説の人物。

ところで、沢村投手が昭和9年の日米野球でメジャーリーグセンバツを相手に8イニングを1失点9奪三振しながらも0−1で惜敗したことは広く知られています。3番ルース、4番ゲーリックからも奪三振。弱冠17歳の沢村が、文字通りのメジャーリーグ選抜に快刀乱麻。
そして、この伝説の一千が開催されたのが、静岡の野球ファンであれば知らない人はいないであろう静岡草薙球場。

沢村は2度出征し、帰還する度に腕の位置が下がっていました。
3度目の出征前には、後輩に野球を続けたければ手榴弾は投げるなと言い残したそうです。
そして、3度目の出征で戦死。
背番号「14」は栄光の巨人軍最初の永久欠番となりました。

今年は、この沢村栄治の生誕100年。
来るべきセンバツも、一つの感慨をもって観戦することになりそうです。

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第十三回 新年のご挨拶

2017.01.13

遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

今年のお正月、皆様はいかがお過ごしでしたか。
天候も良く、初詣や初日の出に出かけるには、うってつけの日よりでした。

さて、少し前の話になりますが、昨年11月の朝日新聞に、下のような新聞記事が掲載されていたのを皆様ご存じでしょうか。

目の不自由な方が持っている白状は、必ずしも全く目の見えない方だけがついているわけではありません。
道路交通法上でも、全盲に限らず視覚に障害のある人は保有するようにとされています。
記事を読むと、全盲ではない方が白状を持っていることにより、不快な経験をしたケースが散見されるようです。

世の中の方々が、白状を持っている人についての理解を深めてもらえれば、目の不自由な方もそうでない方も、お互いに不快な思いをすることも少なくなるのではないかと思い、こんなことを書かせていただきました。

それでは、皆様、本年も宜しくお願い致します。

弁護士 宇佐美 達也

新年のご挨拶

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第十二回 ボブ・ディラン

2016.12.13

何かと物議を醸した今年のノーベル文学賞。ボブ・ディランは、あまり聴いた憶えがないけれど、昔、「愛という名のもとに」というドラマで、登場人物たちがラストで語った台詞が、ボブ・ディランの「風に吹かれて」の一節だった。それが最初の出会いだったかな。

ところで、授賞式を欠席したディランがコメントを寄せた。
印象に残った箇所があった。

「私は5万人のためにも50人のためにも演奏してきました。本当は50人のために歌うことの方が難しいのです。5万人は一つの人格を持ちますが、50人は個々のアイデンティティを持っています。」

何となく共感できる。全く次元は違うけれど、自分の仕事とも共通点があるように思う。一見同じように見えて、事件には個性がある。依頼者にも勿論人格がある。ディランと同じ思いで、仕事に臨みたいものですね。

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第十一回 新聞連載

2016.07.06

日経の朝刊に連載されていた宮部みゆきの「迷いの旅籠(はたご)」が、6月30日をもって完結しました。本作をもって百物語シリーズも完結。主人公のおちかが過去に訣別し、新たな旅立ちを予感させるエンディングに、しばしの間幸福感に包まれました。

この名残惜しさは、毎週欠かさず見ていた大河ドラマが終了したときと同じ。それでも、年が改まれば、また大河を見るように、今回も新たに新聞連載を読むこととなるのでしょう。

7月1日からは、伊集院静の連載が始まりました。まだ始まったばかりですが、こちらも面白そうですね。

新聞小説が面白いと、一日の始まりが溌剌とします。やはりネットニュースでは味わえない醍醐味であると思います。

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第十回 野球賭博はなぜいけないのか

2016.03.15
野球賭博はなぜいけないのか

昨年プロ野球界を震撼させた野球賭博問題の余波が収まらない。
本当に今回限りで事態が収束するのか、他球団には波及しないのか、不安を覚えるのは私だけではないだろう。

ここでは、今後の見込みはひとまず於き、なぜ野球賭博をしてはいけないのかについて考えてみたい。

勿論、賭博罪は刑法に規定されており、法に触れるから、してはいけない。
また、いわゆる博打金や寺銭が反社会的勢力の資金源になっているから、してはいけないというのも正解であろう。 最初は少額を賭けさせ、借金漬けにさせて、ひいては八百長を持ちかけるというのは、海外におけるスポーツ賭博の常とう手段であり、このような事態を防止するために賭博は禁止されるべき、というのも正解であることには異論がない。

要するに、正解は一つではないのであろうが、プロ野球選手個人にとって、野球賭博をするということは何を意味するのであろうか。

プロ野球選手にとって、試合の勝敗を賭けの対象とすることは、自らの職業を賭けの対象とすることに他ならない。
自らが文字通り人生を賭け、命がけで戦った結果に金を賭けるに等しい行為である。
我々の職業で言えば、他の弁護士や検察官が担当している裁判結果を賭けの対象としているようなものである。

結局は、このような行為を恥ずかしいと思うかどうかの問題であると思う。
金をほしいと思うのは自然なことである。
問題はその金の稼ぎ方。
自らの職業を賭けの対象とすることは、結局のところ、自らの誇りと尊厳を売り渡して金を得ようとする行為ではないだろうか。
このような恥じらいを感じない人間には、野球賭博がなぜいけないのかを理解することはできないのかもしれない。

要は、人間としての誇りの問題であると思う。

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第九回 事情聴取の難しさ

2016.03.10

広島県府中町で、本当に痛ましい事件が起きてしまいました。

万引きをしたという誤った非行歴を基に、志望校への受験ができないかのような進路指導を行い、生徒が自殺をしてしまったという事件です。

誤った進路指導と自殺との因果関係は不明とされているようですので、断定的なことは言えません。

しかし、マスコミ報道によれば、事情聴取を正確に行うことの難しさを痛感させられます。

報道によると、担任教師が生徒に万引きの事実の有無につき事実確認をしようとしたところ、生徒はあいまいな返答をし、この担任教師は生徒が万引きをした事実があったものと誤解してしまったようです。

われわれの仕事も、依頼者や相談者から事情をお聴きすることが業務の中心の一つですが、このような誤解を生じるおそれは常にあります。

相手が中学生という、理解力や表現力が十分ではない方であればなおさらです。

ましてや本件における事情聴取者は教師であり、一方は生徒。

しかもその聴取内容は高校進学に関することで、かつ、自身の万引きという事実に関するもの。

きわめて慎重な事情聴取が不可欠な事案でした。

当該担任教師を非難するつもりはありませんが、返す返すも、最初の時点で丁寧な事情聴取がなされていればと残念でなりません。

そして、自分も丁寧な事情聴取を行わなければ、と改めて痛感する悲しい出来事でした。

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第八回 介護の負担は誰が負う?

2016.03.04

平成28年3月1日、最高裁で世間が注目する判決が出されました。

認知症を患っていた91歳の男性が電車にはねられて死亡した事件につき、JR東海が振替輸送費などを男性の遺族に請求した裁判です。最高裁は、遺族を民法714条にいう「監督義務者」には当たらないとして、JR東海の請求を棄却する判決を下しました。JR東海も最高裁の判決を尊重するとのコメントを出しているようです。

この判決は、高速度で高齢化社会が進展する我が国で、注目を集めました。本件の結論には私も賛成ですし、マスコミなどの報道を見ても、判決に好意的な意見が多いようにも感じます。

しかし、事は、そう単純ではなさそうです。

本件の結論に多くの方が賛成していると思われるのは、請求者側が日本を代表する大企業であるのに対し、請求される側が一定の介護への努力を果たしていた家族であるという事情によるものと思われます。

けれども、請求者側が大企業であるとは限りません。零細業者が、認知症を患う方に損害を与えられた場合に、誰に対しても損害賠償を請求できないのでは、場合によってはその業者は深刻な事態に陥りかねません。

また、被害を与えてしまう側の事情もさまざまです。認知症に限らず、精神疾患や極度の酩酊状態、急な疾患など民事上の責任を問うことが難しい場合は、認知症の場合に限られません。

認知症の方が損害を与えた場合を一部カバーする損害賠償責任保険も販売されているようですが、自動車事故を起こした場合には適用されないなど、十分ではないようです。

結局のところ、この問題は、一定の割合で必ず発生してしまう不幸な事故のリスクをどのように負担すべきか、という問題だと思います。遺族にのみ負わせるのはときに過酷です。他方、被害者に泣き寝入りを強いることも妥当ではない場合があるでしょう。

やはり、社会全体で広く浅く負担していく方向を議論するしかないのではないでしょうか。本件は、その契機とすべき重要な事件だと思います。

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第七回 年始のご挨拶

2016.01.08

皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

おかげさまをもちまして、当事務所も無事新年を迎えることができました。本年の5月で丸2年となり、開所3年目となります。これもひとえに皆様のおかげです。厚く御礼申し上げます。

さて、本年は、年明けから隣国が不穏な動きを見せ、世界経済も動揺しているように見えます。国内に目を転じれば、与党は、昨年成立させた安保関連法の余勢を駆って参院選で総議員の3分の2を確保し、憲法改正を目論んでいるようです。このように不安定な世の中においては、我々一人一人に、主権者としての自覚が求められることとなりましょう。依頼者各人の要望に真摯に向き合うと同時に、主権者の一人として自覚的な言動を行ってゆくことをここに宣言し、新年のご挨拶とさせていただきたく存じます。

また、昨年は、ほとんど更新できなかったこの「せいうんだより」も、もう少し高頻度で更新できればと思っております。

それでは、本年が皆様にとり良き一年となりますよう、心より御祈念申し上げます。

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第六回 常識を覆す新判例

2015.06.04
常識を覆す新判例

近似、巷を騒がせる新判例が下されました。ご存じの方も多いでしょう。そう、「枕営業」は不法行為に該当しない、という東京家庭裁判所の判例です。

マスコミ報道などを総合すると、相手方は本人訴訟で、枕営業だったなどという主張は一切なく、証拠調べもなされず、たった2回の裁判で、例の判決が下されたそうです。

私は、この判決は、世間の常識にそぐわない、奇をてらった判決だと思います。しばらくは、この判例を利用した主張も展開されるのかもしれませんが、この判例が上級審でも維持されるとは考えづらいところ。早晩従来の判例の流れに落ち着くのではないでしょうか。

いずれにせよ、この判例は、原告であった元妻の権利を侵害しているのはもとより、枕営業をしていたと断じられた飲食店経営者の女性の名誉をも侵害する判例であって、あらゆる意味で、女性蔑視的な判例のように思われてなりません。

 

仮に当職の元にかかる相談が寄せられても、「この判例を根拠に主張を展開すると、手痛いしっぺ返しを喰らう可能性がある」と、アドバイスすると思います。

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第五回 ふつうのこと

2015.01.19

去る1月16日、101名の新任判事補が任官した。その中には、高校時代の体育授業中に事故に遭い、四肢麻痺となりながら司法試験に合格した谷田部峻さん(27)の名前もあった。

試験の合格自体もさることながら、その合格のために要した時間の労苦を考えると、本当に頭の下がる思いであり、心から敬意を表したい。新聞報道によれば、「人の痛みの分かる裁判官になりたい」と書かれており、その思いを持ち続けてほしいと切に願う。

 

ところで、司法試験には、その受験に関して、一切の制限がないとしばしば言われる。

現在の試験では、経済的な事情から受験が困難になる方々も少なくないので、そのように言い切れるものか疑問であるが、自分が受験生であった頃は、文字通り受験制限は存在しなかった。

とすれば、谷田部さんの努力には心から経緯を表しつつも、さまざまな障害を抱える方が、普通に、裁判官や検察官に任官して、それが殊更に新聞記事にならないような時代がくればよいと心から願う。

それが、本当の意味での受験制限がないということなのだろう。

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第四回 せいうん法律事務所と弁護士とそのスタッフたち

2015.01.16
せいうん法律事務所と弁護士とそのスタッフたち

少し遅くなりましたが、皆さまあけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

昨年の5月9日に開業し、無事8ヶ月を経過することとなりました。
とりあえず大過なく新年を迎えることができたのも、ひとえに関係者の方々のご愛顧とご支援の賜物と心より感謝しております。

本年も昨年同様、弁護士とそのスタッフ2名で、ご依頼者からのご依頼に対して、真摯に対応してゆく所存ですので、重ねて宜しくお願い申し上げます。

昨年末、珍妙な名前の政党が誕生したようですが、当事務所は、タイトル通り3名が全陣容ですので、政党要件は満たしませんが、文殊の知恵を出し合って頑張ってゆこうと思います。

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第三回 忘れられる権利

2014.11.20
せいうん便り

最初に耳にしたときは、一体どんな権利なのかと思いましたが、最近この「忘れられる権利」の存在が、社会で大きくクローズアップされています。

この権利は、プライバシー権の一種であるということができますが、インターネットや検索エンジンという、一昔前には想像もできなかったツールの発展によって、今までの書籍や雑誌などによるプライバシー権の侵害とは比較にならない程の危険性をはらんでおり、その意味で、「忘れられる権利」がますます注目されているのだと思います。

インターネットは、環境さえ整っていれば、誰でも簡単にアクセスできます。

また、検索エンジンを利用して、キーワードや人名を入力すれば、それに関連する情報をいとも簡単に探しあてることができます。

本当に便利な代物で、現代社会には、いずれもなくてはならないものあり、弁護士業務においても、必要不可欠です。

 

しかし、他方、誤った情報や名誉毀損となるような情報、プライバシーを侵害する情報が掲載されると、先に述べた利便性がむしろ弊害となって、対象者に刃となって向かってしまいます。

 

本年5月、EUの裁判所は、過去に社会保険料の滞納により不動産を差押えられたことのある男性の記事が、検索エンジンを利用することによって検索可能となっていることについて、この男性の請求を認め、グーグルに削除を命じる判決を下しました。

そして日本においても、対象者があたかも犯罪に関連しているかのような情報が掲載され、グーグルに削除を命じる仮処分決定が出されました。

 

インターネット上では、目を覆いたくなるような様々な情報が氾濫しています。

不適切な自己の情報を適切に管理するためにも、この「忘れられる権利」が認められた意義は、極めて大きいと思います。

 

もっとも、この仮処分決定も、無限定にこのような権利を認めているわけではありません。

次回は、少し、決定内容に踏み込んだ考察をしてみたいと思います。

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第二回 セウォル号船長への判決

2014.11.13

11月11日、注目の判決が出されました。

死者295名・行方不明者9名の大惨事となってしまったセウォル号の事故に関して、検察側が船長に殺人罪を適用するよう求めていたのに対し、殺人罪は適用されず、懲役36年の判決が言い渡されたというものです。

改めて思い返すと、誠に痛ましい事故であり、亡くなられた方やご遺族に対し、心から哀悼の意を表します。

 

この判決内容には、韓国のみならず、日本においても、様々な意見があるようです。

私は、法律家の観点から、殺人罪が適用されなかったという結果について、判決内容は適切であったと感じています。

たしかに船長は、船上において絶対的な権限を有し、乗客の最後の一人が安全に退避するまで、船上に残るべきだというのが、その責務であるとは思います。

しかし、このことと、船長に「未必の殺意」を認めることは、同義とは言えないように思います。
(「未必の殺意を認める」とは、この事件の場合、「船長は、乗客を殺そうと思っていたわけではないが、結果的に死んでもかまわないと考えていた」と認定することです)。

 

海上における救難体制の不備は明らかでした。また、船長の命も危機に瀕していました。

このような状況の下、いち早く逃げてしまった船長に、乗客を保護すべき立場にあった者としての刑事責任は免れないものの、「乗客が死んでもしかたがない。」という認識があったことまで認定して、殺人罪を適用するのは、困難であるように私は思います。

仮に自分がこの事件の弁護をしたとしても、同様の弁論をするでしょう。

 

判決はこのまま確定することはないでしょうから、その行く末が注目されるところです。

私は船長に対し、生きて、亡くなられた方の冥福を祈っていただくと同時に、痛ましい事故の貴重な証人として、二度と同種の惨事が起きることのないよう、再発防止のため、その力を役立ててほしいと思っています。

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第一回 せいうん便り

2014.11.07

このページをご覧の皆様、こんにちは。
せいうん法律事務所です。
当HPにアクセスしていただき、誠にありがとうございます。
記念すべき第一回目のせいうん便りは、7月からこの事務所に加入した、新人事務員なかのがお届けいたします。

「法律事務所」、「弁護士」というと、敷居が高い場所、何となく怖いところ、別世界の人たちというようなイメージがあるかもしれません。
というのも、わたし自身が、法曹業界(裁判所、検察官、弁護士たちの世界)に対して、そういったイメージを持っていたからです。

ですが、実際にこの事務所で働き始めてみて、一口に「弁護士」といっても、いろいろな方がいて、いろいろな法律事務所があるんだな、という、当たり前のことに気付きました。

世の中には、怖い弁護士や、話しかけづらい先生もいるとは思いますが、わたしがこの4ヵ月で出会った先生方は、とても優しく、依頼者のためにいっしょうけんめい事件に取り組んでいらっしゃる方々ばかりです。

 

わたしが勤務するせいうん法律事務所は、弁護士1名、事務員2名の、とてもアットホームな事務所です。

弁護士の宇佐美は、今までつちかってきた経験と知識を総動員して、人生の一大事にこの事務所を訪れる方々の、肩の重荷を少しでも軽くできるよう、日々奮闘しています。

そんな宇佐美に続き、わたくしたち事務員も、宇佐美のそのようなお仕事をサポートしたいと考えています。

依頼者にとって、最良の解決とは何なのか。
正解のある問いではありませんが、最終的に、「宇佐美先生を信頼してよかった」「この事務所に任せてよかった」と依頼者の方にもし思っていただけたなら、わたくしたちにとって、これ以上の幸せはありません。

 

さて、そんなわけで、今回は初回ということもあり、この事務所について、弁護士の宇佐美について、少しご説明をさせていただきました。
これからは、事務所近辺の素敵なカフェやレストランのこと、弁護士に関するテレビドラマのこと、事務所にたくさんある観葉植物のこと、ちょっと真面目なお話など、いろいろなジャンルに渡って、せいうん便りをお届けできればと思います。

もしよろしければ、またのぞいてみてください。

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